
「アニメの国家横断的な文化生産」『ポップカルチャーからみた日本』石毛弓編集。大手前大学比較文化研究叢書 (東京: 水声社, 2025)
「日本のテレビアニメ」と呼ばれるメディアは、様々な表現パターンや慣習を持っている。これらの繰り返された慣習によって、画像だけで「これはアニメだ」と認識させることができる。国内外の視聴者には、「アニメ」の画像が「日本からのもの」であると認識されている。しかし、実際のアニメ制作は、多くの海外の下請けや国内のスタジオで働く外国人スタッフを含めて行われている。つまり、日本国内外でアニメの慣習は共有されており、アニメは作られているのである。したがって、アニメは国家文化生産物ではなく、むしろ国境を越えた文化生産物と言えるだろう。このような「トランスナショナルな観点」のフレームワークを用いて、現代の大人気ジャンルである「異世界アニメ」を分析し、アニメにおいて「日本文化」がどのように国境を越えた可能性を持つのかを探求してみる。